《記事》 サービス連合、新会長に櫻田あすか氏
       選ばれる業界に向け地位向上へ

2023年8月1日 旬刊「旅行新聞」

 サービス連合(後藤常康会長)は7月18日(火)、帝国ホテル(東京都千代田区)で2023年度定期大会を開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に櫻田あすか副会長(帝国ホテル労働組合)を選任した。

 7月31日(月)に開いた会見で櫻田新会長は「我われの産業では人手不足で回復する需要に対応できない事案も発生した。人材確保と採用競争力の強化へ労働環境の改善は欠かせない」と語った。さらに、「労働集約型の観光業が日本の基幹産業として持続的に発展するには、労働者から選ばれる業界になることが必須となった。産業の地位向上へも運動を展開していきたい」と抱負を述べた。

 女性の組合員が多い産業であることから、「多様性の視点を持ち、ジェンダー平等への活動にも力を入れる」とした。

 同日には6月19日までに集計した2023年春闘のまとめも発表。これによると、20組合の賃金改善額は9471円と過去最高となった。

 櫻田会長は「産業の回復が見え、社会的な賃上げの機運も高まったことが主な要因」と語った。そのうえで、「労使が労働集約型である我われの産業に人材への投資の必要性を強く感じていることを踏まえ、腰を据えて話し合った結果だ」と話した。

 20組合のうち、ホテル・レジャー業は1万73円で、合意組合数は22年の5組合から9組合に増えた。ツーリズム・航空貨物業は9303円。合意した組合は22年の6組合から11組合に増加した。

 また、75組合の夏季一時金は前年同期比0.38カ月増の1.53カ月。このうち、ホテル・レジャー業は同0.31カ月増の2.34カ月。話し合いが終了した組合は22年の25組合から39組合に増えた。ツーリズム業は同0.96カ月増の1.00カ月。合意組合数は22年の25組合から28組合に増加した。

 今年は2030年度までに組合員数を10万人に増やす目標に向けて、未組織労働者に組合結成を促す。とくに、約50万人が未組織という宿泊業へ組織化を推進していく。

 また、コロナ禍による加盟組合の活動停滞で交渉力が弱まっていることを受け、6つの地方連合会の解消によって人材と財政を集約し、加盟組合への支援に傾注していく。