● “沖縄!”問題解決を阻む真(ほんとう)の壁

                            2019.1.15 シニアネット共同代表 北岡孝義

 みなさん、元気で新年をお迎えいただけたでしょうか。

沖縄県民が示した度重なる民意を一顧だにせず、今日もまた安倍政権による辺野古の埋め立ては進められています。安倍の狂暴ぶりはいまに始まったことではありませんが、「辺野古の米軍基地建設」で頂点に達した感があります。

 こんな安倍政治を許しているのは、誤解を恐れず一言でいえば、われわれ本土の人間の「無関心」と無意識に持っている沖縄への「差別意識」ではないかと、私は思っています。
 本土の人間はあまりにも沖縄を「知らない」「知ろうとしていない」といってもいいのではないでしょうか。
 人口の1%超にしかならない沖縄県民が、日本の中央政府に死物狂いで抵抗しているほんとうの理由を理解するためには、沖縄で統一王朝が形成された15世紀から今日までの「歴史」を知る努力が必要なんだろうと思っています。
 
 しかし、どれほどの日本人が沖縄の歴史を知っていることでしょうか。

◇独立国であった琉球統一王朝時代、そこへ薩摩が武力で侵略し支配した時代 
◇明治政府による武力併合(琉球処分) 
◇“皇民化”の押しつけ 
15万人が犠牲になった沖縄地上戦 
◇昭和天皇と吉田内閣による沖縄切捨て政策 
◇民主主義のカケラも感じさせない米軍支配の27年 
◇「日本国憲法の下に帰りたい」と熱い願いを込めた祖国復帰運動 
◇復帰がかなっとはいえ、依然と続く軍事植民地的日常の半世紀

 日本国憲法にかけた夢は幻想だった、という現実――沖縄県民のいまの闘いは、このような歴史の積み重ねのうえに形成されている、と私は理解しています。

 なぜ“オール沖縄”が形成されたのか、なぜ知事を先頭に政府に抗し続けるのか。「歴史」を知ればはっきりと見えてきます。辺野古問題をローカルの問題だと、見て見ぬフリをしてはいけないことが理解できるようになります。

 安倍政治を許している現実とは、本土のわれわれが「あれはローカル沖縄の問題だ」という程度にしか考えていないことの裏返し現象ではないでしょうか。

 私は81歳の老い身、大したことのできる自分でないことは分かっています。

しかし、健康の許す限り、沖縄県民に共鳴して、安倍打倒の運動に参加し続けたいと思っています。