新規原発計画、全面白紙化=福島事故を教訓に−原子力政策転換・韓国大統領 

 【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は19日、東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力発電に関する政策を全面的に再検討する方針を表明、「新規原発建設計画を全面白紙化し、原発の寿命も延長しない」と述べた。

また現在稼働中の原発の安全基準も大幅に強化すると強調した。国民の安全向上を優先課題に掲げる文大統領は、原子力政策の根本的転換に乗り出した。

 大統領は、韓国国内で最も古い釜山市の古里原発1号機の稼働停止に合わせた式典で演説。「(福島の)事故は原発が安全ではなく、低価格でもなく、環境にも優しくないという事実を明確に示した」と指摘した。

 さらに、昨年9月、南東部・慶州で、過去最大規模となるマグニチュード(M)5.8の地震が発生したことに言及、「韓国はもはや、地震の(起きない)安全地帯ではないことを認めなければならない。地震による原発事故は致命的となる」と訴えた。

 特に、韓国では原発周辺に人口密集地があるため、「可能性は極めて低いが、万一原発事故が発生した場合、想像できない被害が出る恐れがある」と警告。「現在稼働中の原発の耐震設計は事故以降、補強されているが、十分かどうかを再度点検する」と約束した。(2017/06/19-12:10)

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