<捜査>
山尾志桜里氏(民進) テロ等準備罪の嫌疑が固まる前の尾行や張り込みは違法か。
林真琴・法務省刑事局長 嫌疑が生じていないのに犯人かどうかを確定したり証拠を確保したりするため、尾行や張り込みをすることは許されない。
赤沢亮正氏(自民) テロ等準備罪の捜査で通信傍受をする必要があるか。
刑事局長 仮に通信傍受の対象にすると想定しても、計画に基づき、実行準備行為が行われたと裁判官に十分疎明しないと、傍受令状は出ない。傍受令状が発付される程度まで捜査が進展していれば、(傍受することなく)容疑者を逮捕するなどの手法を選択する。
<対象犯罪>
浜地雅一氏(公明) 墳墓発掘死体損壊罪を対象犯罪に含めた理由は。
刑事局長 組織的犯罪集団が資金を得るために埋葬品を領得することが考えられる。海外では墓の破壊がテロ行為として実際に行われている。
<組織的犯罪集団>
枝野幸男氏(民進) 組織的犯罪集団の構成員と認識していない者が犯罪の計画を立てた場合は。
刑事局長 罪は成立しない。組織的犯罪集団構成員1人と、そう認識していない1人で計画を立てた場合、計画という要件は満たす。罪が成立するのは構成員1人だ。
<計画行為>
今野智博氏(自民) LINE(ライン)を見ただけでテロ等準備罪の計画をしたと言えるか。
刑事局長 計画とは、組織的犯罪集団の構成員らが指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務を分担に従って、特定の犯罪を実行すると、具体的かつ現実に合意すること。メールやラインを見ただけで重大な犯罪の合意は成立しない。
<法体系>
逢坂誠二氏(民進) テロ等準備罪の新設は刑法体系の大転換ではないか。
金田勝年法相 組織的犯罪集団が関与する一定の重大な犯罪の計画行為に加え、実行準備行為が行われた場合に限って処罰する。指摘は当たらない。
藤野保史氏(共産) 日本の政治的言論、民主主義を縮小させるのではないか。
法相 言論活動や市民運動をする一般の方々が処罰対象とならないのは明確で、言論が封じられ、萎縮するといった懸念は当たらない。