観光労連シニアネット共同代表 
 北岡孝義の年頭挨拶文
               
2017年1月11日

この“混沌”から抜け出したい

あけましておめでとうございます。私も70代最後の一年を、どうやら元気で迎えることができました。お互いに健康には気をつけて、元気な一年にしてゆこうではありませんか。

新春の言論界は「混沌たる世界」をどう考えるかというテーマで、にぎやかな論争を続けています。どう考えたらいいのか、私にはわかりませんが、日本を含めて“世界が混沌たる状況”に陥ったことは、私にもわかります。

海の向こうではどっちに向かうのかさっぱりわからない、多分史上最悪となるであろう政権がスタートしますし、ヨーロッパではテロに怯える日常生活の中から、極右が勢力を伸ばしているといいます。シリアで一時停戦が成立したことは大いに歓迎できることですが、内戦状態が終結する見通しは、いぜんとしてないようです。それは、イラクでもイエメンでも南スーダンでも変わりはないでしょう。

わが国の近隣に目をむければ、お隣の朝鮮半島の南では大統領の弾劾が成立しそうですし、北の方では核開発に国運をかける政権がいぜん支配しています。また、今や世界第2の経済力を持つに至った中国の海洋進出も不気味な存在といわざるを得ません。

しかし、もっとも気がかりなのは、暴走を止めない安倍政権がいぜんとして衰退の兆しを見せていないことです。安倍政権をカゲで支える政治勢力、いわゆる日本会議グループは、私が生まれた頃の時代状況を“是”とする極右勢力であり、このまま安倍の暴走を許しておけば、そんな政治勢力に日本を乗っ取られてしまうかもしれません。私はほんとうにそう心配しているのです。

誇大妄想といわれるかも知れませんが、私がそんな危機感を持つのも、安倍政治に対抗する政治勢力の力があまりにも弱い、安倍政治に抗う政治勢力が形成されていないと思っているからです。安倍政権に対抗すべき民進党は、あいも変わらずバラバラで、安倍政治にどう対抗しようとしているのか、私たち有権者にさっぱり伝わってこない、としかいいようがありません。改憲問題しかり、脱原発問題しかりです。高江のヘリパッド建設・辺野古新基地建設反対の闘いでは、野党第一党でありながら“枠外の存在”でしかありません。

2015年春からの戦争法制定阻止の運動の中から育った「市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合=山口二郎法政大学教授ほか)」は、安倍政権に対抗する政治勢力の結集が緊急の最重要課題だとして、民進・社民・共産・自由の野党4党に対し、共通の選挙政策の策定と統一候補の擁立を求めて、201512月の結成以来、働きかけを続けてきました。そして、昨年の参議院選挙では、改憲勢分の2阻止には失敗したものの、全国に32ある「一人区」では11人を当選させるという成果を上げることができました。

次は衆院選です。今年中と想定されている衆院選の「小選挙区」で統一候補を擁立し、自民・公明の候補に挑むことです。市民連合はすでに野党に対し、共通政策のタタキ台となる「市民連合が実現をめざす政策」を提示しました。そしていま野党の協議が続いています。

安倍政権に痛撃を与え、安倍政治の暴走を止めることこそ、混沌から抜けだす第一歩だと信じています。

この一年、迫りくる老いに向きあいつつ、国会前の抗議行動や4野党への激励行動にせいいっぱい通うつもりです。

終りに、皆さんのご健勝とご家族のご多幸をお祈り申し上げ、ご挨拶とします。