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安保法制に関する各種世論調査の結果

                              2015年9月19日~20日に実施

共同通信 安保審議不十分79%、内閣支持率38%に下落 
 
              
        

 共同通信社が19、20両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、19日に成立した安全保障関連法について「国会での審議が尽くされたとは思わない」との回答は79・0%、「尽くされたと思う」は14・1%だった。
 安保法に対する安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」は81・6%、「十分に説明していると思う」は13・0%で、政府対応や採決強行への不満が浮き彫りになった。
 内閣支持率は第2次安倍政権発足後2番目に低い38・9%で8月の前回調査から4・3ポイント下落、不支持率は50・2%となった。

 安保法成立で自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」は68・0%。「変わらない」は27・1%、「低くなる」は2・5%だった。

 安保法に「賛成」は34・1%、「反対」は53・0%。安保法が「憲法違反だと思う」は50・2%、「違反とは思わない」は31・8%。

 消費税率10%への引き上げの際に負担軽減策として望ましいのは、「軽減税率」が72・8%で、「還付制度」13・1%を大きく上回った。

 安倍晋三首相が無投票再選した自民党総裁選について「別の候補が出て選挙戦になった方がよかった」は69・3%に上り、「無投票でよかった」は24・3%となった。

 維新の党を離党した橋下徹大阪市長が結成を目指す新党に「期待する」は35・4%、「期待しない」は58・1%。

 政党支持率は、自民党が32・8%で前回比2・2ポイント減、民主党は9・5%で1・0ポイント減。維新の党2・8%、公明党3・8%、共産党3・9%、次世代の党0・5%、社民党1・5%、生活の党0・5%、新党改革0・2%。元気にする会は回答がなかった。「支持政党なし」の無党派層は43・6%。


朝日新聞 安保法、反対51%・賛成30% 
 
              
        
 
 安全保障関連法が19日未明に成立したことを受け、朝日新聞社は19、20両日に全国緊急世論調査(電話)を実施した。安保関連法に「賛成」は30%、「反対」は51%で、法律が成立してもなお反対が半数を占めた。国会での議論が「尽くされていない」は75%、安倍政権が国民の理解を得ようとする努力を「十分にしてこなかった」は74%に上った。

 内閣支持率は35%(9月12、13両日の前回調査は36%)で、第2次安倍内閣の発足以降、最も低かった。不支持率は45%(同42%)だった。

 参院特別委員会で採決が強行され、本会議で可決、成立した国会での進め方は「よくなかった」が67%で、「よかった」の16%を大きく上回った。自民支持層でも「よくなかった」が48%で、「よかった」の34%を上回った。

 5月に安保関連法案が国会に提出された後、法案への賛否を同じ質問文で5回にわたり尋ねてきたが、いずれも「反対」が5割を超えていた。法律成立後の今回も、その傾向に変わりはなかった。

 安保関連法をめぐる国会審議も、議論が十分だったとは受け止められていないようだ。国会での議論が「尽くされた」12%に対し、「尽くされていない」は75%と大きく差が開いた。

 安保関連法について、安倍政権が広く国民の理解を得ようとする努力を十分にしてきたと思うかは、「十分にしてきた」16%に対し、「十分にしてこなかった」は74%だった。内閣支持層でも、「十分にしてきた」は35%で、「十分にしてこなかった」の52%を下回った。

 安保関連法が憲法に違反していると思うか聞くと、「違反している」は51%で、「違反していない」の22%を上回った。

 安保関連法成立に反対した民主党や維新の党など野党の対応については、「評価する」34%、「評価しない」は49%。民主支持層では「評価する」は73%だったが、無党派層では「評価する」32%、「評価しない」43%だった。

●毎日新聞 安保関連法成立「評価しない」57%
               
毎日新聞は19、20両日、安全保障関連法の成立を受けて緊急の全国世論調査を実施した。成立を「評価しない」との回答は57%で、「評価する」の33%を上回った。参院平和安全法制特別委員会で与党が強行採決したことに関しては「問題だ」が65%を占めた。安倍内閣の支持率は8月の前回調査より3ポイント増の35%、不支持率は同1ポイント増の50%。不支持が支持を上回る傾向は変わっていない。

 ◇安倍内閣支持35%、不支持50%

 関連法の成立を評価しない理由を聞いたところ、「審議が不十分だから」45%▽「法律に反対だから」29%▽「法律を修正すべきだったから」19%--の順になった。内閣支持層では成立を「評価する」が76%だったのに対し、不支持層では「評価しない」が89%に上った。

 特別委での強行採決が「問題ではない」は24%にとどまった。自民支持層では「問題ではない」が49%だったが、「問題だ」も41%あった。公明支持層では「問題だ」が「問題ではない」を上回った。

 関連法が「憲法違反だと思う」は60%で、成立前の7月調査(52%)より増加した。「憲法違反だとは思わない」は24%だった。国会では関連法が憲法9条に違反しているかどうかが議論になったが、審議が進むにつれて違憲論はむしろ強まったといえる。

 政府・与党の国民への説明が「不十分だ」は78%に上り、「十分だ」は13%。7月調査以降、「不十分だ」は8割前後で推移している。今回、内閣支持層でも60%、自民支持層でも62%が「不十分だ」と答えた。

 政党支持率は、自民が前回比1ポイント減の27%、民主が同3ポイント増の12%。そのほかは、維新3%▽公明4%▽共産5%--などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は38%だった。【今村茜】

●読売新聞 内閣支持41%、再び不支持を下回る
              2015年9月19日~20日に実施

 読売新聞社は19~20日、安全保障関連法の成立を受けて緊急全国世論調査を実施した。

 安倍内閣の支持率は41%で、前回調査(8月15~16日)から4ポイント下落し、不支持率は51%(前回45%)に上昇した。安保関連法の衆院通過後の7月調査で、内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、初めて不支持率を下回った。前回調査では支持率と不支持率が並んでいたが、今回は再び逆転した。

 安保関連法の成立を「評価しない」人は58%、「評価する」は31%だった。安保関連法の内容について、政府・与党の説明が不十分だと思う人は82%に達した。内閣支持率の低下は、安保関連法への理解が進んでいないためとみられ、政府には法成立後も、丁寧な説明が求められている。

●産経新聞 内閣支持率、横ばい42.6% 安保法制整備「必要」7割

                        2015年9月19日~20日に実施

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が19、20両日に実施した合同世論調査によると、安倍晋三内閣の支持率は前回調査(12、13両日実施)より0・9ポイント低い42・6%、不支持率は3・3ポイント高い47・8%で、いずれもほぼ横ばいだった。集団的自衛権の行使を限定的に可能にする安全保障関連法の成立を受け、不支持率が大幅に上昇するとみられていたが、踏みとどまった。

 来年夏の参院選の望ましい結果については「与党が僅差で勝利」がもっとも多く、42・6%。次いで「与野党逆転」が27・5%、「与党が大勝」が21・4%だった。

 安保関連法の成立は「評価しない」が56・7%、「評価する」が38・3%。男女別では、男性で「評価する」(48・0%)と「評価しない」(49・7%)が拮抗(きっこう)したのに対して、女性は「評価しない」(63・2%)が、「評価する」(29・2%)を引き離した。

 安保法制の整備については全体の69・4%が「必要」と答え、「必要ではない」の24・5%を大幅に上回った。

 参院平和安全法制特別委員会での採決時、与野党議員がもみ合う混乱状態となったことへの責任に関しては、57・2%が「与党・野党両方にある」と回答。次いで「与党側にある」が23・3%、「野党側にある」が17・2%と続いた。

 一方、消費税再増税時の負担軽減策として、財務省がまとめたマイナンバー制度を利用した還付制度案は「反対」が79・7%で、「賛成」の15・2%を大きく上回った。

 国民に番号を割り振るマイナンバー制度の導入による利便性向上についても「期待しない」が70・3%に達し、「期待する」は25・1%にとどまった。