<川内原発>「11日に再稼働」九電が正式発表
              毎日新聞 2015年8月10日(月)12時17分配信

 ◇14日に発電・送電を開始、営業運転は9月上旬を目指す

 九州電力は10日、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)について、11日午前10時半に再稼働すると正式発表した。14日に発電・送電を始め、営業運転開始は9月上旬の予定とした。東京電力福島第1原発事故を教訓とした新規制基準に基づく再稼働は全国初となる。

【川内再稼働に反対57%】

 九電は10日午前、原子炉内で核分裂を抑える制御棒が正しく動くかどうかの検査を実施。午後の再稼働前の最後の検査で、問題がなければ、11日に制御棒を引き抜いて原子炉を起動する。同日午後11時に核分裂が連鎖的に続く「臨界」に達すると見込んでいる。その後出力を段階的に上げてフル出力運転し、9月中旬としていた営業運転の開始時期を早めた。

 九電は7月31日に原子力規制委員会に早ければ8月10日に再稼働すると伝えたが、川内原発1号機は2011年5月以来、約4年3カ月ぶりの稼働となるため、工程に余裕を持たせて慎重を期して1日遅らせる方針に変更した。

 再稼働すれば、政府が特例的に稼働させた関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)が2013年9月に停止して以来、1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」状態がなくなる。

 川内原発1、2号機は加圧水型の原子炉で、福島第1原発の沸騰水型とは異なる。14年9月に原子力規制委員会の安全審査に合格し、11月に地元同意が完了した。

 九電は川内原発2号機について、今年10月中旬の再稼働を目指している。【遠山和宏、寺田剛】