【声明文】「戦争法案」の審議入りに抗議し、廃案を強く要請します。
 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会日新聞 2015年5月27日


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26日から衆議院本会議で始まった「平和安全法整備法案」と「国際平和支援法案」の審議入りに抗議し、廃案を強く要請します。

 そもそも二つの法案の基としている、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定自体が違憲であり、集団的自衛権の行使を容認するには、解釈ではなく、国民投票を経るべきである事は、今までの国会で一貫してきた見解です。

 ましてや、今回審議入りされた「平和安全法整備法案」と「国際平和支援法案」は、平和という看板こそついているものの、その内容は憲法の平和主義に反し、どちらも戦争のできる国づくりを目指すもので「平和」の名に値しません。

 私たちは安倍首相のいう「積極的平和主義」のごまかしを繰り返し指摘してきました。

 安倍首相は自衛隊を軍隊にし、集団的自衛権の名のもとにいつでもどこでも、きれめなく自衛隊を派遣できる体制こそが世界の平和に貢献できるような幻想を振りまいています。しかし、世界の現実を見れば、武器による紛争や戦争の終結は結局真の終結にはなっていません。逆に多くの犠牲者と難民と貧困を生み出し、被害者の憎しみの連鎖を生み出し、さらなる紛争や戦争を呼び起こしています。

 「美しい国日本」「日本を取り戻す」などの美名のもとに安倍首相が推し進めているのは「特別秘密保護法」によって国民の目も耳もふさぐことであり、「集団的自衛権」の行使による戦争のできる国づくりを通しての軍事大国アメリカへの従属と言えるものです

 今回審議入りした二つの法案はまさに「戦争法案」そのものであり、 戦後70年間日本国民が「日本国憲法」の元に保持してきた平和主義の理念に反するものです。

 「平和学」の父とされるノルウエーの政治学者ヨハン・ガルトング氏は、戦争のない状態を「消極的平和」と定義し、その上で、貧困や差別や疾病を克服し、福祉や文化や人々の安全な暮らしなどが保障される状態を「積極的平和」と定義しています。つまり、平和主義、基本的人権の尊重、主権在民の精神に立つ「日本国憲法」こそ積極的平和の理念に立つものです。今や戦後70年を経て、「日本国憲法」は多くの日本国民の願いであり希望であり、日々の生活を支えている現実なのです。

私たちが「憲法9条を長年保持してきた日本国民にノーベル平和賞を」の運動を起こしたのも、戦後の平和を支えた根底に日本国憲法の存在があったことを深く自覚したからであり、この平和憲法、とりわけ9条の「不戦の誓い」を世界中の人々と共有したいと思ったからに他なりません。

今や日本国民の暮らしの基礎ともなっている日本国憲法、その日本国憲法の一番の守り手でなければならない首相自ら憲法違反を重ねていることに強く抗議します。
2015年5月27日
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会