●2030年原発比率、2割程度 自民方針、原発回帰姿勢 朝日新聞 2015年04月03日 09時29分 |
政府は6月までに電源構成を決めたい考えで、経済産業省の有識者会議で検討を加速させる。同省は3月末に、ベースロード電源は欧米並みの6割以上が必要との考えを示しており、自民党もこれを後押しすることで「原発回帰」の流れを一気に進めるねらいだ。 政府は、原発、石炭火力、水力、地熱の四つの電源を、発電にかかるコストが安く昼夜を問わずに動かせる「ベースロード電源」と位置づけている。 自民党の調査会がまとめた電源構成の提言案によると、「エネルギー政策もアベノミクスを強化するものでなくてはならない」として、東日本大震災で原発が止まった結果、電気料金が値上がりしていることを指摘。欧米の多くの国ではベースロード電源が6割以上を占めることから、「国際的に遜色のない水準を確保すること」を求めた。 日本の13年度の電源構成は、原発1%、石炭火力30%、水力・地熱9%で、ベースロード電源は約4割にとどまる。二酸化炭素の排出量が多い石炭火力は「温暖化対策」に逆行するため、増やしにくい。大規模ダムをつくる余地の少ない水力や環境影響評価に時間がかかる地熱も、急には増やせない。 提言案には原発比率の具体的な数値は明記していないが、少なくとも2割程度を原発で確保しないと、ベースロード電源は6割にならない計算だ。そのためには、政府が寿命と定めた40年の運転期間を超えて原発を動かすか、原発の建て替えや新増設を認める必要があり、反発が予想される。(相原亮、大津智義) |