恒久法に国会の事前承認を明示 政府、派遣要件など明示
       朝日新聞 201503月13日16時19分

 政府は13日、安全保障法制をめぐる与党協議で、自衛隊が戦争中の他国軍を後方支援するための恒久法(一般法)について、国会の事前承認や自衛隊の安全確保策などを新たに盛り込む方針を示した。また、現行のPKO協力法を改正して人道復興支援や治安維持活動にも自衛隊の活動を広げるほか、周辺事態法を抜本改正して「重要影響事態」と位置づけることも伝えた。

 政府はこの日、集団的自衛権を除く6分野で法案に盛り込む派遣要件などを一括して提示した。自衛隊の海外活動については、恒久法と改正PKO協力法、改正周辺事態法の3法案で対応する。

 恒久法は他国軍への後方支援のほか、戦闘参加者の捜索・救助も可能とする。活動に関する3原則として「現に戦闘行為を行っている現場」では支援活動を実施しない▽領域国政府等が活動の実施に同意▽以上の条件が満たされない場合は撤収する、と掲げた。

 また、国連安保理決議など国連決議を派遣要件の基本としつつ、欧州連合(EU)などを念頭に「国際機関や地域的機関からの要請」のほか、国連憲章に基づく「国連の主要機関による支持や称賛」があった場合でも派遣できないか検討している。

 さらに、国会の関与について「事前に国会承認を得ることを基本」と明示。その他、法案には防衛相自衛隊員の安全確保に配慮する規定を盛り込むとした。

 改正するPKO協力法では、これまでPKOに限っていた参加5原則の一部を修正。「国連平和維持隊」としていた文言を「ミッション」に置き換え、活動内容の幅を広げる。周辺事態法は「周辺事態」という概念を削除し、「我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」に変更する。事実上日本周辺で米軍のみに限られていた後方支援をそれ以外の地域にも広げ、米軍以外の他国軍への支援も可能とする方向だ。